修辞法の種類 「現写法」
●用法
過去の出来事や未来に予測されるようなことがらを現在形で示し、あたかも目の前で展開されているかのような強い印象を与える方法。
●用例
○彼に指さされて、私は川向こうの共同場を見た。湯気の中に七八人の裸体がぼんやり浮かんでゐた。仄(ほの)暗い湯殿の奥から、突然裸の女が走り出してきたかと思うと、脱衣場のとっぱなに川岸へ飛び下りさうな恰好(かっこう)で立ち、両手を一ぱいに伸ばして何か叫んでゐる。それが踊子だった。
(川端康成 『伊豆の踊子』)
●効果・特徴
過去の描写の多い小説や物語では、この方法を用いて情景の再現に役立てている。最も重要なもののみを現在形にして強調するのが普通である。

